水晶の涙
「…アリア。」
仕方なく、と言う様に突き出していたルビーを下ろしたカイ君だったけど
内ポケットの中に潜む悪魔を捉える様に
ジッと、こちらを見つめていた
『…この子は、私が仲間の所に絶対に連れていく。から、だから…この子は諦めて。』
ルシルちゃんに連れて行かれながらも、目線を微かにカイ君に向け
縋る様に、そう言った
「?、この子って?」
『…うぅん、何でもないよっ』
その後は、食堂や中庭、多目的ホール等、色んな場所を回った
その間、カイ君は内ポケットに隠した悪魔については何も言わなかった
幸い、ルシルちゃん達にもばれる事はなかったから
心底私は、安堵したのだった…