水晶の涙
異質な慈愛
「アリアちゃん!部屋まで一緒に戻ろっ」
『うん!』
校内探検の翌日
悪魔についての始めての午前中授業を終えた私とルシルちゃんは
教科書を一先ず、寮に置きに行く事にした
『スフェーン、かぁ…綺麗な石だね。』
歩きながらの会話で、最初に出てきた話題は
自分達の、持ち石についてだった
「ありがとっ。スフェーンは、別名、楔石って言うの。」
『楔石…』
ルシルちゃんの持ち石
'スフェーン'って言う石は
森の様な深緑なんだけど、光に当てると少しだけ色が変わって見える
見ていて、心が落ち着く様な
そんな石
「スフェーンに込められてる意味は…内なる財産、良い出会い、達成。」
『そっかぁ…』
石には、一つ一つに込められた意味や、効果がある
勿論、私の水晶にも