水晶の涙




『…誰も、居ないよね…』


学校の門の外へ、ソッと出た

先生や生徒に見られていたら、後々大変だし…、周りを見ながらの早歩き


『…息苦しくない?』


「…――」


〈…ちょっと〉


その答えに、巾着袋から小さな悪魔を出し、手の上に乗せた

赤黒い二つの目が、こちらを見ている


『もう直ぐに、仲間の所に着くからね。』


目的地は、私の大好きな子達がたくさん居る

神隠しの森


昼食時間は限られてるから、出来るだけ早足で進む


「…――」


『…もう一人ぼっちじゃなくなるんだよ。』


自分と同胞が居ると聞いてか、悪魔は嬉しそうに「――っ!」と鳴いた


『…あっ、見えてきた!』


早めの早足だったから森にはあっという間に到着した、けど


相変わらず、森の雰囲気は不気味で、、、





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