水晶の涙
「何言ってんだ!!」
『私は浄化能力で、皆の存在そのものを消すつもりはないよ…』
私が浄化するのは
皆の内に秘める
"負"の感情
『私の役目は…皆に光を与える事。』
水晶が徐々に
白く光を帯びていく
「グルゥウっ!」
「―――!」
〈消えて、シマエ〉
それを合図に
赤黒い目の、闇色の悪魔達が
狂気に満ちて、襲ってくる
「危なっ…!」
私を悪魔から庇う様に
突如、目の前に立ち塞がったカイ君を見て、少しだけ笑い掛けた
『…ありがと。』
手に握る水晶は直視出来ない程に白く、輝き
光が辺りを包みこんだ