水晶の涙



『…行かなきゃ。』


「クルゥ…?」

クマのぬいぐるみをそっと地面に降ろすと、頭を優しく撫でた


『くぅちゃん、皆をお願い。』


「…クル、クルゥ!」


アリアの言葉が分かったのか、元気に頷いた後、何故かこちらを向いた


「な、何だよ。」


「クルゥっ、クルルゥ!」

トテトテと足元まで来ると、俺の顔を見て首を傾げた

と、次の瞬間


ダキッ

「…!?な、」

ぬいぐるみが、俺の足に抱き着いた


『く、くぅちゃんっ!』


「クルぅー?クル!」


ズボンを引っ張ったり、叩いたり、頭を擦り付けてきたり、

…遊んでんだよな、コレ


『た…多分、カイ君に遊んで欲しいんじゃないかと思う。』


「………」

マジか





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