水晶の涙
そして、その後は
「『………』」
無言
数十秒たった頃に
先に口を開いたのは
「…大丈夫か?」
カイ君だった
『…うん…』
その言葉に小さく頷きながらも、内心は、さっきと変わらない
恐怖や悲しみに近いものが
胸の中から離れない
「…大丈夫じゃねぇだろ。自分の手、見てみろ。」
カイ君に言われ
その時、始めて気づいた
『ぁ……』
震えてる
自分の両手は止まる事なく
震え続けていた
「…原因は、何となく分かる。さっきの…悪魔達の事、だろ?」
『………』
無言で黙り込む私を見たカイ君は、「はぁ…」とため息をつくと、静かに立ち上がった