清水君の好きなヒト



「あれじゃないですか、いつまでも生きているのは退屈だからじゃないですか?」

あ、結構私良い事言った

自分の中で自画自賛しながらお弁当の中のシュウマイをほおばる



『へぇ~、榊ってロマンチストなんだね』

「…そういう解釈されると腹立ちますね」


はて

これは、この間告白をして振った振られたの関係の男女の会話だろうか?


清水君は清水君でコンビニのおにぎりを『うまっ』とか独り言言いながら食べてるし



『…いつか消えてなくなるものって、信じることが出来ないよね』

「そんな考えだと全てが消極的になってしまうよ、清水君」



ちらりと見えた、清水くんの本音に
ありきたりな受け答えしか返せなかった自分が憎い



「まあでも、だから消えるものには大切なものが多いんじゃないですか?」


私は結局、何が言いたかったんだろう

だから、私の気持ちも消えてない、変わらずに大切なままなんだよって
間接的に伝えたかったのかもしれない


今だって
飲み込んだシュウマイを押しのけて心臓が口から飛び出そうなほど

清水君に緊張しているのに…





『…へぇ~、榊ってロマンチストでちょっと不思議ちゃんなんだね』

「あ、なんかいらないものが増えた気がする…」




どんな関係とも言えない不完全な関係

何も起こらないと
高をくくっていたところもある











『ロマンチストで不思議ちゃんな彼女は欲しく無いなぁ』



だからこれ以上
傷を抉られる事もないだなんて


思い込んでた私が馬鹿だった

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