いじわるだけど好きな人

カチャ

少しだけドアを開けて様子を見ていたら急にドアが開いて引っ張られた。

「ほら早く!!」

那奈!!最初からいたな??

私は背中を押されてホールに連れて行かれた。
そんなに人手足りなかったかなぁ。ていうか、リハーサルだからそんな…いいのに。

そんなことをぼやぼや考えていたが、驚いて一気に真っ白になった。

「樋浦…お前…。厨房なんじゃ…?人、足りてるじゃん」

「あ、樋浦だ。可愛いね~」

…おおおおお、沖野先輩と長野先輩!!?

そこで私はピンときた。これは、仕組まれていた。

那奈を勢いよく振り返って見ると、那奈は既に逃げていた。

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