いじわるだけど好きな人

「せ…先輩…急にどうしたんですか?」

一応、聞いてみる。ほんとに我慢の限界がきたのか、それとも別に意味があるのか。

「…俺…経済学学んで、親父の会社継ぐしかねえんだ。」

…はい?初めて聞く…先輩の家のこと。
ま、待って?…つまり、先輩て…

「先輩て社長子息だったんですか…??」

首を縦に振る。

「な、なるほど…。でも、それとこれとはまた別なんじゃ…?」

普通そう思う。
次の先輩の言葉で、私の心は凍った。





「経済学進んでるの、外国でさ。…留学するんだ。1年間優秀な成績だったら、俺は会社を継ぐことができる。」


…外国…って…。
海、越えてるよ?先輩…

< 197 / 240 >

この作品をシェア

pagetop