いじわるだけど好きな人

ずーっと街を歩いていく。もちろん手を繋いで…。

たまにちょこっとお店を覗いたりした。

二人で洋服を見た。
「樋浦、サンタのカッコしてよ。なんか、リアリティ増しそう。サンタって、コロッとしてそうじゃん?体型」

先輩はケラケラ笑いながら言った。

「し、失礼な!どーっせ私はデブですよーっ」

頬を膨らませて一人でずんずん進んでいく。

「待てって。冗談だろー??」

まだ笑ってる…。でも、私はつくづく甘いと思ってしまう。先輩が楽しんでくれてるなら、いいかな、と思う自分がいるんだ。

< 212 / 240 >

この作品をシェア

pagetop