いじわるだけど好きな人

「変な妄想しちゃった?」

クスクスと笑い始める。それを聞いて私はもっと顔が赤くなる。

隠すように俯くと、バサッと頭に何かをかけられた。

…上着…?

先輩を見るといつの日か見た、くしゃっとなった笑顔があった。

「透けてる。」

指を指されて、その先を見るとキャミソールが透けていた。ブラウスでいたのを忘れていた。

「べ、別に下着が透けてるわけじゃないんで、大丈夫ですよ。教室にブレザーありますし。」

そう言って、上着を先輩に返した。
< 32 / 240 >

この作品をシェア

pagetop