初恋カフェオレ


それからなぜか三沢は私に付きまとってくるようになった。


飲み会で話しただけで仲良くなったと思われているのか。


それでもいいだろうこの際。めんどくさいから。


別に話をしてくるだけだったらいい。


「ねぇ。今週末あいてる?」


「………空いてません!」


予定を聞いてくるのをやめてくれたら。


こういうのに、クビナガリュウの痛覚並みに鈍い私でもわかる。


俗に言う、お誘いというやつだろう。


しかし解せない。


こんな十人並みの私を誘う暇があるならそのスマイルをほかの女性に向けてデートでもランデブーでもなんでもしてきたほうがいいのに。


宝の持ち腐れだ。


残念だが、私は男の顔には興味はない。


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