初恋カフェオレ
ストレート・コーヒー
飲み会が出会いだった。
右斜め前で一人だけちびちびとビールを飲んでいるのが気になった。
見つけたのは酔った上司に絡まれ、無理やりアルコールが強い酒を口内へ流された後。
フラフラになりながら、席へ戻ったときだ。
ぽつんとそこだけ色がなく、逆に目を引いた。
色がないといっても、もちろん本当に無色なわけではない。
彼女自身、生真面目そうなジャケットを羽織ってもいた。
女には不自由はしていない。
むしろ手に余るほどの好意を持たれていた、
しかし付き合ってきた女性で、こんな色をもったタイプはいなかった。
一人でいるのは全然平気、というのは。
女性というのは一人でいられることのできない、動物の習性のようなもので常にグループで固まっているものだと思っていた。
鮮やかで目が痛くなるような女性としか付き合った子がないもんだから、興味が泉のごとくあふれてくる。