初恋カフェオレ
「これでしょ」
痛む頭を渋々あげてみると、ここには不釣り合いなスマイルを浮かべた青年が皿を突き出してくれていた。
私はとりあえず礼を言い、浮かべてくれている皿から何本か摘みを摘み(ギャグじゃない)あげ、口の中にひょいっと入れた。
ぶふっと吹きだすような音が聞こえたが気のせいだろう。
「いやーみなさんすごいね。お酒が水みたいじゃない?」
「あっそうですね」
「僕はさ、なんかお酒って駄目なんだ。苦いから」
「あっそうですか」
なんで私は『あっ』と付けるのか。
ずばり緊張しているからしかない。
こんな炭酸が抜けたコーラみたいな私に、話しかけてくるモノ好きがいるなんて。
心の準備ができていない。