初恋カフェオレ


「………」


「………」


青年もどうすればいいのか、といった感じで困惑の笑みを浮かべている。


大方一人で寂しかったから話し相手を捕まえたと思ったのに無口で根暗な女だと分かったからだろうか?


それでも攻めはしまい。


何を噛んでいるのか分からなくなってきた。


ゴムをひたすら噛んでいるような。


青年は意を決したように、私と同じ摘みを口の中に放り投げ


「僕、三沢 優。君の名前は?今年は言ってきたばっかりの人だよね」


「あっ私は和束 愛恋っていいます………」


名前を聞かれてぽろっと白状したが、これでいいのか?


いいということにしておこう。


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