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五月蠅い女

『校外学習ーーー!?』

朝から配られたプリントを見て、俺はため息交じりに叫んだ。
(だっるー・・・)
これが、正直な感想。
俺、古賀 芳樹(コガ ヨシキ)は、こういう団体行動がキライな男だった。

登美ヶ辻高校の二年生になって数ヶ月、
結構クラスにも馴染んできて楽しくなってきた矢先のことだった。

「芳樹、団体行動キライやもんなぁ~」
ニヤニヤしながら話しかけてきたのは、
俺の親友の森 亮二(モリ リョウジ)
小学校五年の頃引っ越して来たコイツは、いつの間にか俺の親友になっていた。

『うっさい。はぁー、だるいわぁぁぁ!!』
再度そう叫んで俺はイスを後ろに傾けた。

「うわっ!」
そのイスがグラッと倒れて、丁度後ろの席の人の机にぶつかってしまい、
俺は運悪く後ろへ倒れた。

―ドーン

すごい音がして、世界が回った。

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