トリプルトラブル【完】
 「姉と正樹さん、インターハイの地区予選会場で出会ったの」

「あっ私も今年ソフトテニスで出場しました」

「正樹さんは先輩の応援に来ていたの。学校は違っても同じ町の仲間として意気投合して」

「直ぐ結婚ですか?」

「ううん、姉は2歳年上で、短大で体育教師の免許を取ったの。男性が結婚出来るの18歳からでしょう?」

「それじゃママから?」

叔母は頷いた。

「プロレスラーになりたいと言う夢を叶えさせてあげたくてね」

「だからママは、中学の先生になったのか」


短大によって異なるが、栄養士、保育士など就職に有利な資格が得られる所がある。
中学の体育教師もその一つだった。

珠希は正樹の夢のために、正樹の生活を支えることを視野において体育教師の道を選んだのだった。

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