トリプルトラブル【完】
 子供達が学校へ行っている時間に正樹と沙耶はルーフバルコニーにいた。

少し高台にある長尾家。
長閑な田舎の風景が眼下に広がる。


「花火大会の時には気付かなかったけど、此処って凄く気持ちいいのね」

空気を感じるために沙耶は深呼吸をする。


「姉が此処を買いたくなった理由が解るわ。私悪いこと言っちゃったかな?」

沙耶はそう言いながらもう一度両手を大きく広げた。

「コレなのよね。この雰囲気をみんなで楽しみたかったのね。私解ってやれずにキツいことばかり言っていたわ」

沙耶はうっすら涙ぐんでいた。




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