トリプルトラブル【完】
 美紀も部活の朝練に参加していた。

初めにやるのはラン。
簡単に筋肉をほぐした後で校庭を走る。
放課後のロードより軽く全員参加が基本だった。

その後ウォーミングアップしてからラダートレーニング。

ラダーとは縄ばしごの意味で、足下に置いて反復跳びで瞬発力を鍛えることが出来るのだ。

でも美紀はもっと簡単にしてしまった。

それも珠希直伝事のアイデアで、ただ線を書くだけだった。

物を置いて運動した時の躓き事故を無くすためだった。

美紀の基礎体力と応用力は、それらにより生み出されたものだったのだ。


その後初めてコート練習へと向かうことになっていた。




レギュラーと補欠選手には優先的にコート使用が認められていた。

朝は時間が無く、効率の良く成果を上げるためだった。


そのため他の部員達は、素振りと技術を盗むための見学に徹底していた。


でも今日は違った。
美紀の計らいで、新人のソフトテニス部員達に素振りを教えることにしたのだ。


でも、中学時代から本格的にやっていた者が大半だった。
基礎がしっかり出来ていて教えることもなかった。
でも一応決まりとして、基礎訓練は指導しなければいけなかったのだ。




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