トリプルトラブル【完】
そう……
矢車草は、大好きな母・珠希へのプレゼントだったのだ。
それは美紀の、純粋な思いだった。
美紀は珠希が大好きだったのだ。
でも本当は父の正樹の方がもっと大好きだった。
「大きくなったらパパのお嫁さんになる!」
だから、美紀は何時も言っていたのだった。
勿論、珠希から正樹を奪おうなんて考えてもいなかった。
でも本当に、正樹を思っていたのだった。
それは美紀自身にも解らない、本当の愛と言う感情だった。
(――何故私はこんなにパパが好きなんだろう?)
美紀はずっと悩んでいたのだった。
美紀は一生懸命育てた。
玄関脇にある小さな花壇。
その一角をそのために借りて……。
でもやっと花が咲いた時、美紀は泣いた。
近所の草むらで何時も見ていた花だったから……。
その時珠希は言った。
『わぁ白い矢車草。この花大好きなの』
そう……
美紀の育てた矢車草には、白い花も混ざっていた。
『美紀……素敵なお花をありがとう』
珠希はそう言いながら美紀を抱き締めた。
矢車草は、大好きな母・珠希へのプレゼントだったのだ。
それは美紀の、純粋な思いだった。
美紀は珠希が大好きだったのだ。
でも本当は父の正樹の方がもっと大好きだった。
「大きくなったらパパのお嫁さんになる!」
だから、美紀は何時も言っていたのだった。
勿論、珠希から正樹を奪おうなんて考えてもいなかった。
でも本当に、正樹を思っていたのだった。
それは美紀自身にも解らない、本当の愛と言う感情だった。
(――何故私はこんなにパパが好きなんだろう?)
美紀はずっと悩んでいたのだった。
美紀は一生懸命育てた。
玄関脇にある小さな花壇。
その一角をそのために借りて……。
でもやっと花が咲いた時、美紀は泣いた。
近所の草むらで何時も見ていた花だったから……。
その時珠希は言った。
『わぁ白い矢車草。この花大好きなの』
そう……
美紀の育てた矢車草には、白い花も混ざっていた。
『美紀……素敵なお花をありがとう』
珠希はそう言いながら美紀を抱き締めた。