トリプルトラブル【完】
 ソフトテニスの練習方法は美紀が中心となって決めていた。

国体の選手だった珠希の工夫を学ぼうと言う提案があったからだった。

でも美紀はでしゃばるのが嫌いで、何時も部員達に気を配っていた。

部員の誰もがそのことを知っていた。
だからこそ美紀は、部員達に頼りにされていたのだった。


珠希は練習過程を六通りに分けていた。

運動に関わる神経伝達を素早く行えるようにするコーディネーション。

相手のショットに素早く反応するために必要不可欠なフットワーク。

狙った場所へボールを打つためのショット技術向上。

試合を組み立てるために必要なストローク。

得点のチャンスを生かすネットプレー。

基本中の基本サーブ。

それらを一つ一つこなした後で総合練習となる。


サーブはボールを二つだけ持つ。
試合形式でリターンを狙わせる。
その処理練習が技術向上へと繋がると美紀も思っていた。








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