トリプルトラブル【完】
 仏間の前で秀樹がそわそわしていた。


「もしかして、叔母さんとの会話を聞いたのか?」

うなづく秀樹。


「ごめんな。本当の事言えなくて」


「パパのせいじゃないよ。それより気になること聞いていい?」
秀樹は小声で言った。


「ああいいよ。でも此処ではまずいな……」

正樹は仏間のドアを開けて、秀樹を仏壇の前に座らせた。


「そうだ直樹にも聞いてもらった方が」

そう言いながら、正樹は珠希の遺影を見つめた。
まるで、珠希に了解を得るように……


「秀樹ちょっと此処で待っててくれよ」


正樹はドアを開けて、周りの様子を見ていた。




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