トリプルトラブル【完】
 正樹は直樹を、仏間の前で待っていた。

そしてやって来た直樹を、仏壇の前にいた秀樹の横へ座らせた。


――シュッ

マッチを擦り、珠希の位牌の前に供える。


「珠希……いいかい。これから話すよ」

その正樹の言葉で、緊張する秀樹。

その姿を見て、直樹も緊張した。




「ごめん。お父さん嘘をついていました。美紀とお前達は本当の兄弟じゃないんだ」


「えっ! ウソ!」
直樹が声を張り上げる。
秀樹はすぐに直樹の口を手で塞いだ。


「知ってたのか兄貴」
うなづく秀樹。


「でも、さっき知ったばかりだ。ショックだったよ」


「そうか。それで様子がおかしかったのか」

直樹は秀樹の顔をマジマジと見つめた。
秀樹はくすぐったそうに視線をそらせた。


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