トリプルトラブル【完】
 朝練にも力が入る。
寝不足も美紀の笑顔が吹き飛ばした。

秀樹と直樹は誰よりも早く部室にいた。


備品の手入れや、整備。
やることはいっぱいあった。

他の部員がやって来るまで二人は無言だった。

何となく気恥ずかしかった。
昨日のモヤモヤした気持ちが恋だと気付きながら、どうする事も出来ずに持て余していたのだった。




「基本は走り込みとウォーミングアップだ」

やっと集合した部員の前で一席ぶった後で、秀樹が率先して柔軟体操を始める。

「二人一組になって!」
直樹もそれに乗る。
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