トリプルトラブル【完】
 大はマウンドをトンボでならしながら、美紀の笑顔を思い出していた。

ベースを回収する時、自分の影にドキッとする。
隣に美紀の影を想像して、高揚した為だった。


大は確実に美紀を意識していた。
それは時間と共に増大していく。

それはもう自分でも止められない。
大はこの恋にのめり込んでいく自分を感じていた。


でも大は揺れていた。
昨日突然感じた美紀への恋心。
思わず直樹に告っていた。


親友の妹を、今まで一緒に遊んでいた美紀を愛し始めた自分。
直樹と秀樹は何と思うだろうか?
大はそれが心配だった。
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