トリプルトラブル【完】
 妙によそよそしい秀樹と直樹。
正樹は渇を入れようとリングの上に二人を立たせた。

ここは正樹の職場だった。

プロレスラーとしてのセンスを高くかってくれていたオーナーが、セコンドとして雇ってくれたのだ。


小型バスを運転出来る。
それが条件だった。
でもそのためには克服しなければならないトラウマがあった。

どうしても感じる凶器としての車。
珠希の命を奪ったことへの恐怖心。
それは未だに解決したわけではない。
でも一歩踏み出すために、正樹は心に鞭を打った。

自分のやる気が子供達を励まし、元気に繋がる。
そのことに気付いて。




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