あなただけのcolor
★ 響 ★


バスの中からいつも通り過ぎて見てた笑ってる沙来がいない…


席に着いて外の玄関を眺めてても沙来の走る姿はない…


「ファイトー」って元気な声で頑張ってる沙来がいない…


コンコンって部室に入ってくる沙来がいない…


手を繋いでいる沙来が隣にいない…



沙来の居ない一日が長い…苦しい…


何があったか分からないせいか…


まだ沙来から話を聞いてないせいか…



何だろーと俺には沙来がいないととダメだ…



こんな気持ちは初めてで…


あんな沙来を見て何をどーしたらいいかすら思いつかなくて…


前の俺なら適当に慰めたりしたんだろーけど…


沙来…俺…



心も体も沙来なしじゃタダの情けない男だ…



沙来…



俺の傍から離れないでくれ…






< 105 / 233 >

この作品をシェア

pagetop