あなただけのcolor
それから毎朝決まったバスに乗ると、その子はノラ猫を撫でて笑ってる。

制服を見ると同じ学校らしい。

今どきのどれも同じ髪型や化粧はなくいたって普通だ。

バスが通り過ぎる間、俺はずっとその子を見てた。

ただ見てただけ。

次の日も次の日も、毎朝。


何故かは分からない。


二週間過ぎた頃、居ない日があった。

どうしたかな?休みかと思いながら学校に着く。
相変わらず周りの女たちはうるさい。


だるそうに机に伏せながら窓際の席から外を見ると、誰かが走ってる。


んっ?


だんだん顔がはっきり見えてくる。


あっっ!!
あの子だっっ!

遅刻しそうなのか走ってる。間に合わないんじゃないか?

と思った瞬間、


俺にはスローモーションに見えた。

転ぶ姿が…

思わず笑ってしまいそうになり、気付かれないように顔を隠す。


面白いやつ。

何年だろ。
どこのクラスだろ。


悠斗に聞いてみるか。
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