あなただけのcolor
朝からバタバタする私。
「お母さんー、私の浴衣はぁ?着付けして〜教えて〜」
髪もアップして髪留めも1番可愛いものにした。
メイクも目元パッチリ系でグロスも軽く塗った。
履き慣れないもので響の家へ向かった。
夕方からだし、家なら着崩れする事はないでしょ。
ここまで歩いて大丈夫だったしね!
うわっ!
すごいんですけどっ!
何この重厚な門。
素晴らしい門構えは周り近所とは明らかに違う雰囲気だった…
間違いかどうかもう一度表札を確認する…
まさか響ってお坊ちゃん??
緊張しながらインターホンへ
ピンポーン。
「沙来?入って」
予想通り自動でゆっくり開いた門の中は別世界だった…
響は家のリビングよりはるかに広い玄関で笑顔で迎えてくれた。
全てが高級、高価、貴重、アンティーク、骨董…、ありとあらゆるモノが目に入る…
言葉にならない驚き。
開いた口は閉じる事なく…
見渡す限り汚れはまず見当たらない。
ひぇぇ……
「俺の部屋。待ってて、今準備するから」
響はポカンとしてる私の頭をトントンとしてから部屋を出て行った。
ガチャ!
「沙来!すげぇ浴衣似合ってるからっ!ゆっくりしていけよなっ」
バタン…
まだ放心状態の私の頬にキスしてくれた響のおかげで??ようやく我に返ることができた…