あなただけのcolor
友香って呼び損ねた手と言葉が止まったまま固まった私…
視界に入ったはずなのに頭の中でぐるぐるただ回ってるだけで処理しようとしない…
何??
人違い??
もう一度目で追って探したけど、もういなかった…
一瞬だったからもしかしたら…
…
でも間違うはずがない…絶対。
あの二人は響と矢崎サンだった。
何がなんだか、訳も分からずただポロポロと涙が頬を伝っていた…
「…っっ来っ!ね、沙来っ!どうしたの??」
はっと声の聞こえる方へ顔を向けると、友香だった…
心配そうに私を見てる。
「何?沙来どした?変なヤツにからまれた?ナンパ??」
首を横に振って応える。
理解できないパズルがたくさんあってどれも組み合わず並んでる。
なのに涙だけが勝手に落ちてくる。
「…っ友香の、歩いて…くる…後ろから…、響と…」
「響先輩??え??」
「…響と………矢崎サンが腕組んで…歩いてた…」
「……嘘。ホント…?響先輩が??なんで??」
「ちゃんと見えたもん…」
なんで?
用事って矢崎サンとデートだったの?
私より矢崎サンが大切?
どういう事??
私のこと嫌いになった??
どうして??
たくさんキスして
たくさん好きって…言ってくれたのに…
「沙来!行くよ!!」
「えっ?なに?行くって…」
手を引っ張ってかれて少しだけあちこちウロウロした…
友香…何??
どした??