あなただけのcolor




俺のその姿をただ無言で見守ってくれてた沙来。

ただ強く握り返してくれるだけ。

それだけの事が後悔だけの俺の気持ちを分かってくれてる気がした…



どれくらい経ったのか…


少し落ち着いた俺はゆっくりと沙来の顔を見た。


涙をたくさん流して目が真っ赤になって

ぐしゃぐしゃの顔だった。


………


「…っふ、ふふ…、響の顔ってば変…だよ」


「…っばか、沙来の顔も鼻水出てるしっ!」


笑った。

沙来が笑った。

手を繋いだまま…


「かっこいい顔が台無しだぁ」

「うるせぇ……、沙来…本当ごめん。俺の話聞いてくれるか?」



俺は矢崎との経緯をきちんと話した。

沙来はうんうんと聞いてくれてた。


そして矢崎と友達が後追ってくれたこと。

左腕の傷は幸い浅くて一週間で治ると医者に言われたこと。


そしてとりあえず俺の部屋で安静にしていること。


話終わると沙来が言った。



「響、ありがとう…ちゃんと話してくれて嬉しいよ…」



また泣きそうになった。

何言ってんだよ、お礼なんか

お礼なんか

言ってもらう立場じゃねぇよ…


「沙来…俺守るって…、全然ダメだな…こんな男でもいいのか…?」


「こんな男なんかじゃないよ、響は私にとっていつだってこれからだって最高なんだから!大好きなんだからね!」


まだ頬に残る涙の跡の沙来の笑った顔が今の俺には切なく感じた…

締め付けられる胸が少しだけ緩くなってジーンとあったかくなった…


沙来…頼りねぇだけど絶対この手は離さないから…


何があっても…


絶対…







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