あなただけのcolor
★ 響 ★



沙来の歩調に合わせてゆっくり俺は歩く。

外は少し暗く、夕日が沈みかけてた。

夕日のあいまいな色が沙来の顔を照らしてより一層可愛いさを増す…


「お母さんに何て話しようかな…転んだ事にしよ…ね??」

「沙来はドジだからなぁ、多分いいんじゃね??」

「沙来…明日学校どうする?2、3日休めば?」

「う〜ん…他はたいしたことないけど…、明日だけ休もうかなっ!」

「そうしたらいいよ」

「うん!でも響、私いないと淋しいでしょ〜?」


俺を少しイジメる沙来。

元気になって笑って見せてくれるその表情が愛しくて、そっと抱きしめた…


当たり前だよ、淋しいじゃん…


沙来が隣にいて普通になってるんだから…



「響…私いいんだ、あの男は腹立つけど…今はもういいんだ…こうして響がいてくれるだけで…」



「沙来…俺も沙来がいてくれるだけでいい…大好きだよ…」




沙来の家の玄関でお母さんに挨拶をして帰ってきた。


さっきまで沙来がいた俺の部屋はまだ沙来の香がほのかに残っていた…










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