あなただけのcolor


廊下まで並んでたたこやき屋はすごい繁盛していた。


「あそこだ、じゃあな」


そう言ってそのバスの女と別れて戻ろうと階段へ向かう時、また違う制服の女たちに捕まった。


マジうぜぇ。

なんだよ、こいつら。

何しにきてるんだよ。


「園田さんですよね?」
「あの、握手してください」
「会いにきました」
「写メ撮らせてください」



何人にもすごい勢いできていきなり撮られてしまった。

早く戻らないと、もしかしたら沙来がもう待ってるかもしれない。



「ちょっと、悪いけど彼女待ってるし行くわ」



えーとか言ってる女たちを背中に階段を降りて行った。


あれ?まだ沙来がいない…


矢崎のやつ、そんなに話長いのかよ。


歩いて行った先を眺めてると、遠くから走ってくる沙来が見えた。




「っあ!」



またもスローモーションに見える。


沙来の転ぶ姿。


両手を付いて思いっきり地面にぶつかった。


「クククッ、ったくドジなんだから」


遠くで転ぶ沙来は痛そうな顔をして起き上がった時



違う制服の男に手を差し出されていたのが見えた。


そいつは沙来の腕を引っ張って何やら話かけてた。


沙来も何か答えていた。


すぐに戻ると思っていたのになかなかこっちに戻らない。



ドクン…


俺は立ち上がって沙来の元へ行こうとした時、



は???


何やってんだよ


勝手に触ってんじゃねぇーよ!





歩き出した俺の足は早足へと変わっていた…





























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