あなただけのcolor
激しいキスだった。
ここ学校だよ、響。
みんな見てるよ。
目を閉じてる響はすこしいつもより寂しげだったし、心配させたのは私だし…
私もそのキスに応えたくて目を閉じた。
「っん…」
「沙来、これでもう大丈夫だな!沙来は油断するとこれだからなぁ、気をつけること!」
そういってまたトントンと頭に手を置かれいつものようにキュンとなった。
もちろん転んだことも知ってる響は足の心配もしてくれた。
私の飲みかけてたジュースは響が全部飲んじゃって無くなってた。
私は響に矢崎サンと話してたことを言った。
「沙来ちゃん、この前は本当にごめん!!」
頭を深々と下げて謝ってくれた。
「腕はもう大丈夫?」
「あ、はい。もうすっかり良くなりました」
良かったと安心そうに笑った矢崎サンはやっぱり綺麗だった。
「二人の邪魔はもうしないから安心して。あと邪魔するような事もさせないから」
「はい、ありがとうございます」
「ま、あいつモテるからね。沙来ちゃんも不安な部分あるとは思うけど本気で沙来ちゃんの事想ってるよ」
矢崎サンは少し話をしてくれた。
響のこと。
女には興味がなくて、適当にただ遊んでただけで…あの響が変わってくれて嬉しいとまで言ってくれた。
「この話は内緒ね。絶対、大丈夫だよ二人なら!ずっと仲良くね!」
響には教えてくれた話はしなかった。
私と矢崎サンと内緒だしね。
響のクラスのやきそばも食べてお腹いっぱいになった私。
「もぉ、食べられない~」
「っつーか、食べすぎなんじゃね?」
屋上で大きな雲を見上げて立ち上がった。
「うちのクラスのカフェでお茶しよっか?」
「おい、食べられなかったんじゃねぇの?」
「お茶はまた違うもん」
笑いながら階段を降りてクラスへと向かったらそこはものすごい行列だった。