あなただけのcolor
★ 響 ★



俺は走った。



体育館から部日記取りに行くだけ…



彼女が待ってる部室に早く行きたい…



ただそれだけの為に…



彼女の為に。





「ごめんね、部日記あったから、今書いちゃっていいかな?」


「あ、はいっ」


「あ〜適当に座って」


「はっはい」





シーン…




俺のシャープペンの書く音だけが聞こえる。


俺のドキドキは彼女に聞こえてはいないか心配。



「本瀬さ、学校まで歩き?」


「はっ、はいそうです」


「そっか〜、じゃ家近いんだな」


「はっ、はい。あの、園田先輩は?」


「俺はバスだな。20分くらい。」


「バスは時刻決まってるたら寝坊とか絶対ダメですね」


「お〜そだな。ま、俺はこう見えて寝坊遅刻はない」


「うらやましぃ…です」


彼女の顔は笑ったり少し俯いたり…



不思議だ…


やっぱり俺、彼女が好きなんだ…





そうなんだ…








< 34 / 233 >

この作品をシェア

pagetop