あなただけのcolor
キンコーン

放課後を知らせる音が聞こえる。

友香が早速とばかりに私の手を引っ張って体育館へ。

「ワクワクするよね〜♪すごい楽しみなんだけど〜、ねっ沙来?」

「う〜ん、そう?」

まだ見た事もない人にあまり興味がない私は友香みたいにドキドキもしなかった。

そう言ってる間に体育館入口に到着。

「げっっ!!何これー!全然見えないじゃ〜ん!」
ものすごい数の女の子たちが何やら騒いで、何がなんだか訳分かんない。


「響クン超カッコイイ〜」
「最高、響先輩!」
「きゃーシュートした〜!」
「こっち向いてー!」


な、なにこれ、有り得ない。こんな状況でできる人達もある意味すごい。
尋常じゃない騒ぎだ。

「あーもうっ、ここじゃ全然見えないっ!行こっ沙来!」

「えっ、ちょちょっと!」

友香は強引に私の腕を掴んで体育館裏の入口へ。ステージの隅からそーっと覗く


周りは誰もいない。
私と友香だけ。


「そっーと、静かにね」

「う、うん」
なんだか私まで緊張…

一体どんな人なのかな…


まさかこの人が私の最高の恋の相手になるなんて思いもしなかった。



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