それでも世界はまわる -いつかの夢-
あっ、と美佳はパスケースから時刻表を取り出した。

汽車と同じくバスも一時間に一本程度しかない。

「七時番・・・四十五分! あ、あれっぽい!」

駅前には見慣れたバスが。

漫画を鞄に投げると、ダッシュで店を飛び出す。

一足先にりおんがバスを止めておいてくれたお陰で間に合った。


   *      *      *


美佳とりおんが、風吹家の居間で父と母、弟悠真の三人を正面に正座したのは、午後十時頃だった。

美佳は黙っていた。りおんが、ストレートかつ簡潔に話した。
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