それでも世界はまわる -いつかの夢-
「美佳さんを僕にください。幸せにします」

女の子なら誰もが憧れる台詞。

そのシチュエーションに動じることなく、両親も悠真も婚約を受け入れてくれた。

付き合いがオープンだったことが幸いしたのか。
母は泣いて喜んでくれた。

「りおん君のご両親には報告したんかね?」

父が日本酒を勧めながら尋ねる。

りおんはそれをやんわり断りながら首を振った。

「じゃあ早い方がええわーね。これから行こうで!」

「お父さん! あちらにも都合あるろ?」

呆れた美佳に、りおんが微笑む。

「大丈夫。せっかくおじさんがそう言ってくれとるし」

「あっはは、もうお義父さんになるわー!」

「そうですね」

和やかな二人に美佳もため息を漏らす。
< 18 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop