それでも世界はまわる -いつかの夢-
二人もだんだん耳を傾け始め、結局来年のりおんの誕生日、五月十四日に式を挙げることになった。

だって入籍もりおんの誕生日になる。結婚記念日、合わせたいから。

仲人は校長に、冬休み前にりおんの父から依頼する。なにせ若いので当人たちでは不安だという。

ドミノを倒したようにあっさり進んでいく展開に、二人は呆然としていた。

しかし、基本的に村人は何かと飲む口実を探しているので、それから早くも宴会騒ぎになった。

雰囲気に圧倒され考えにふける暇もない。

いつもなら鬱陶しい酔っ払いだが、今日は気が済むまで相手をしてやった。


   *      *      *


翌日の二十六日。二学期最終日。

りおんの父が寮から荷物を運び出すため来校するので、そのタイミングを狙って美佳の父も来た。

二人は校長にうまく話をつけてくれた。三学期が始まるまでに、いろいろまとめておいてくれることになった。


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