それでも世界はまわる -いつかの夢-
「失礼します」

「おお、待ってたよ!」

弾んで二人を受け入れる校長。

「五月十四日の神楽君の誕生日に合わせた君たちの結婚式。仲人としてとりあえず全ての企画をしてみたんだ。二人で目を通して、注文があったら遠慮なく言ってくれ」

りおんは愛くるしい笑顔で、その原案書を受け取る。美佳も幸せに顔がほころぶ。

そのまま軽く話をしてから教室に戻った。

扉を開けていきなり、それぞれ友人に祝福を受ける。

「風吹、結婚おめでとぉ! 朝礼で山崎が言っとったよ!」

「あ、ありがとう・・・ってか、もう広まっとるん?」

朝礼できちんと報告があったのは一年四組だけらしい。だがすぐに噂は流れるだろう。

予想を裏切らず、その日のうちに学校中の生徒に知れ渡った。
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