それでも世界はまわる -いつかの夢-
そんないつものじゃれあいも

「なにあれ、ちょっと成績いいからって調子乗っとるんじゃん?」

「不細工のくせに、屁理屈で神楽君言いくるめとるんかな。かわいそー」

どこからか聞こえるヒソヒソ話が刺さってくる。

釣り合ってない、と言われると反論できない。りおんは完全に自分にはもったいないと思う。

当のりおんは気付いていないのか、気に止めていないのか平然としている。

だんだんと美佳の心に、影を落としていく。


   *      *      *


「風吹。婚約指輪見せてくれん?」

二月に入ったある日の放課後。

彩、由梨子と一緒に四組の教室で井戸端会議をしていた。

そこにやってきたのが三組の平井と新田。
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