それでも世界はまわる -いつかの夢-
「落としたん? 珍しいね?」

ちょっと傷ついた婚約指輪と、割れた勾玉。

美佳はそれを確認するとボロボロ泣き出した。

「ええ、ごめんねっ。練習中だったから、つい・・・」

あたふたする慎吾に彩と由梨子が微笑みかける。

「村上君、最高すぎるわ!」

「本当に。ありがとうー。これ、どこで見つけたんです?」

「ああ、ジョグでここらへん通ったとき東条が踏んじゃって・・・あっ」

一組の東条に内緒だと、きつく言われていたのに。

「ううん、うちが悪いん・・・慎吾くんありがとう・・・」

慎吾は彩と由梨子に伺うような視線を向けたが

「村上君がおるなら安心じゃ」

「うんうん。美佳ちゃんのこと、送ってあげてくださいね」

あっさり流される。
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