それでも世界はまわる -いつかの夢-
彩と由梨子は汽車通学。
駅までは一緒に歩いた。

改札で別れるまで、美佳は謝罪とお礼を繰り返していた。

慎吾はバス停のベンチに美佳を座らせると、自販機でココアとコーヒーを買ってくる。

「熱いけぇ気を付けて」

「ありがとう」

ココアをゆっくり手渡す。

「いい友達じゃね」

「ね・・・こんな遅くまで申し訳ないわ・・・」

「美佳さんのこと良く思っとるけぇじゃろ」

美佳が泣き出してしまわないか、さっきからずっとビクビクしている。当たり障りない言葉を選んでいくが、しかしやはり気にかかる。
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