それでも世界はまわる -いつかの夢-
「なんかあったん? 指輪とか、外すのおかしいし」

やや単刀直入すぎたか。
コーヒーを飲むと、程よい苦味が喉を伝っていく。

美佳は両手で缶を包み、もものところに置いていた。確かに素足も寒そうだが、このままだとココアも冷めてしまう。

慎吾は缶を取り上げるとニ、三回振ってから蓋を開ける。プシュッと音がする。

「うちとりおん君、付き合わん方がええんかな」

「結婚の約束までしとるじゃん」

「そうだけど・・・りおん君かっこいいし、全然釣り合っとらんよね・・・」

ココアを美佳に戻し、両手でくるませる。

「そんなことない。ぶちほのぼのしたカップルじゃん。ていうか、りおんは美佳さんのことめちゃめちゃ好きだよ」
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