それでも世界はまわる -いつかの夢-
傷をえぐるようだが、慎吾は平井と新田の名前を聞き出した。

ガツンと説教してやろうと思ったが、それは美佳にぴしゃりと禁じられた。

「ストラップ・・・ばれないうちに、新しいの買わなきゃ・・・」

しかしこの勾玉は、ジャストの特設ブースで売っていたもの。もう手に入らない。

バレンタインにお揃いをプレゼントすることも考えたが、そこまで隠し通せる自信がなかった。

携帯を開く。不在着信が二件。

ひとつは慎吾だ。探していた頃か。

もう一件はりおんから。自然に繕えるか不安だった。
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