それでも世界はまわる -いつかの夢-
ふとりおんが眉をしかめた。

「指輪、つけてないん?」

彼の目線からうなじは意識せずとも見える。

再び何かされるのが怖くて外してきた。

げっと美佳は喉で呟く。気付くのが早過ぎる。

「ああ、うん、あれ高価だからなくしたらまずいかなと思って・・・」

「いまさら?」

「昨日考えたんー」

いつも割と無関心なのに、なんで今日は突っ込みが厳しいの。

美佳が苦笑するのに、りおんは首をかしげる。

「なくしたん?」

美佳が肩をびくつかせたのを見逃さなかった。

一瞬でりおんの目付きが険しくなる。
間をおかず、乱暴に美佳の鞄を漁る。彼女が腕を引っ張ってきたが払いのけた。
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