それでも世界はまわる -いつかの夢-
着替えやお弁当、携帯と漫画が入っている。

不意に硬いものが当たった。

内ポケットに見覚えのある箱が。その中には、きちんと婚約指輪が入っていた。

りおんはほっと息をつく。

「あるじゃん」

「なくすわけないじゃん。こんな大事なもの・・・」

「ふーん・・・じゃあ、これは大事じゃないん?」

りおんが携帯を持ち上げる。
自分のそれもズボンのポケットから出して並べた。

足りないのは、ストラップ。

血の気が一気に引く。

「違う・・・そんな意味じゃないし!」

りおんの袖を掴む。

「じゃあなんなん?」

「めっちゃ大事にしとったよ! でもちょっと外したら・・・落としちゃって・・・」

上手い言い訳が見つからない。
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