それでも世界はまわる -いつかの夢-
昼休みまでに受け取ったのは七つ。

机に並べてみるが、どうせただ配っているだけだろう、と本人は話す。

そこへ、まさにただ全員に配っているだけのようなオーラを放つクラスメイト、山岡いずみが来た。

「神楽くーん、ハイッ!」

軽快に差し出す。

透明なフィルムで包まれ、口は可愛くリボンで結ってある。中身はカップに入ったガトーショコラ。

「もうチョコいらん・・・」

「おーいおいおい、なんだその余裕発言」

一緒に弁当を食べていた品川大輔が吹き出す。

「もー、美味しくできたんだけぇ食べてやー」

いずみは笑いながらリボンを解こうとする。

「ありがと。でも帰ってから食べるけぇ・・・って、オイ食うな!」

「ケチケチすんなって、いっこくらい分けろっ」
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