それでも世界はまわる -いつかの夢-
大輔が並べられたチョコのひとつを無遠慮に開ける。

中にはニ色のトリュフと、メモが入っている。

「なんか手紙入っとる。受け取ってもらえるだけで幸せです・・・。乙女だな、誰からもらったん?」

「五組の寺戸さんだったかな・・・」

「手紙中に入っとるってことは、コレ手作りか、すげえな」

なるほど売られていても分からないくらい上品な仕上がりだ。

二人で眺めていると、いずみも別のチョコを開ける。

「こっちも手紙あるよ。彼女と別れて付き合ってください・・・」

さっきから周囲も聞き耳を立てていたのだろう、しーんとなった。

数秒おいて、りおんはいずみからその手紙を奪って丸めた。

「なんか恨みでもあるんか」

りおんの低い声に、大輔は顔を引きつらせる。

「ないと思うけど・・・女って怖いな。これ誰だよ?」

「二年の、藤田さん」
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