それでも世界はまわる -いつかの夢-
最終的にいくつチョコをもらったのだろうか。
気を利かせたいずみが渡してくれた紙袋に、溢れるほど入っている。

二人は並んで教室を出た。

「どっか行く? ジャストか、帰り道ならゆめシティあたり?」

「あ・・・慎吾くんたちに会うかも」

「ゆめシティ?」

「そそ」

「じゃあジャスト?」

美佳は、うーんと唸って、下駄箱から靴を出す。

無言のまま地面に下ろすと、りおんはそれをぶんどって顔を寄せてくる。

「なに、どこも行きたくないん? 僕と一緒が嫌なん?」

「ありえん」

ぶんぶんっ。大げさに首を振ると、りおんがふんわり微笑んだ。

「じゃあ海でも行こうか。ジャストだとこっちの人たちと会いそうだしね」

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